2012年9月14日金曜日

花展 「Let it Rose -愛した分だけ美しく-」





 

 日ごとに涼しくなってきて、秋の気配を感じます。さて、九月の花展「Let it Rose」、テーマはバラです。

 会場はSHIPS京都店さん、二階の奥にあるギャラリーKURAをお借りします。秋のテーマが「ブリティッシュ・カントリー」ということで、イギリスといえばバラ。それに便乗して、店内にもバラを使った作品を展示させていただきます。


 バラという花は、最も有名な花の一つと言える。花が好きな人もそうでない人も知っていて、この花を嫌う人は少なく、プロポーズや誕生日、なぜか「愛」をイメージさせる。どうしてバラでなければならないのだろう。美しい花は他にもたくさんあるのに。


 「愛した分だけ美しく」。イギリスが舞台の映画『マイ・フェア・レディ』にヒントを得て、バラの花をいけてみます。






西村花店 Flower Exhibition 「Let it Rose ー愛した分だけ美しくー」

日程 2012年 9月22日(土)~24日(月)
   
時間 11:00~20:00

場所 SHIPS京都店(御幸町四条下る)
     店内、二階奥「GALLERY KURA」
       
         京都市下京区四条通御幸町西入 奈良物町366番地 1・2F   
         http://m.shipsltd.co.jp.3hands.co.jp/kura/





2012年9月5日水曜日

『SHERLOCK』とかけて、あるいは華道と解く。


 コナン・ドイルは何と言うだろう。bbc放送局の、この大いなる挑戦に。


 ドラマシリーズ『SHERLOCK』。その原作はもちろん1886年に連載が開始した、コナン・ドイル著『SHERLOCK HOLMES』だ。ただしその舞台を、そっくり現代に置き換えて。



 21世紀のシャーロック・ホームズは、「推理の科学」というウェブサイトを運営し、タクシーに乗ってロンドンの街を駆け回る。100年以上時代が違うのだ。原作の事件やトリックはほとんど使えない。第一話は、「緋色の研究」から「ピンク色の研究」に変わっていた。しかしスマートフォンを見事な手際で操って、必要な情報を巧みに引き出すその男は、不思議と「シャーロック・ホームズ」にしか見えなかった。



 この物語の最大の魅力は他でもない、主人公の、一風変わった名探偵だ。冷静でいて大胆。鋭い観察力と推理力。捲くし立てるようなあのしゃべり方と、人を見下したような偉そうな態度。『SHERLOCK』は他のあらゆる面が原作とは違うけれど、
シャーロック・ホームズという主人公の魅力を、見事に描ききっている。その本質を理解し守っていくのなら、馬車がタクシーに変わろうが、緋色がピンクに変わろうが関係ない。


 これは、古典、伝統と呼ばれるものの、一つの理想の姿ではないだろうか。図書館の奥で、原作のそのままの姿を守っていくことも大切だ。しかしそれだけでは、埃をかぶって新しい本を積み上げられ、少しずつ人々の生活から離れていく。その魅力の本質を見抜いた上で、時代に合わない部分はばっさり変えてしまうことも、時には必要なのではないか。シャーロックは言った。「見るべき場所を見ないから、大切なものをすべて見落とすんだ」。本質を見抜く目と、変化を恐れない少しの勇気。



 そうすることでより多くの人に愛されるのなら、この素晴らしい物語が未来へ受け継がれていくのなら、ドイルもきっと、笑ってくれるだろう。





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