2012年12月5日水曜日

秋色

 ふと気がつくと、窓の外が薄暗くなっていた。
急に気温も下がっている。ここのところ温度の変化が急すぎて、季節の変化がわかりずらい。夏と冬しかなくなって、真ん中の季節を見失う。見上げた空の灰色は、どちらの季節の色だったろう。

 さああとか弱く、耳元でささやくような雨。触れるように街を濡らすと、「やっぱりいいや」というように、雨雲は風にのって去って行った。

 戻ってきた夕暮れの太陽。その光に、気まぐれな雨の置きみやげが呼応する。ガラスの粒をばらまいたようなアスファルトと、金色に輝くイチョウの木。

 どうして西から射す光は、すぐにそうだとわかるのだろう。暖かく優しく、街全体を黄金色に包み込む。

 北から吹く冬の風を感じながら、秋の色を目に焼き付ける。西から射す金色の光の中で。



イチョウ

銀杏の実と、秋の黄葉でお馴染み。
鮮やかな色は、太陽の光と空の水色によく映える。

気温が下がると生い茂った葉を惜しみなく落とす。落ち葉掃きもまた秋の風物詩かな。