2012年10月24日水曜日

シンデレラのガラスの靴

ガラスの靴は、雲の上の靴屋さんで作られるそうだ。彼らはそれを、私たちの暮らす地上へとばらまく。出会いと別れを繰り返す世界中の人々が、もう片方の靴を持つ運命の人と早く出会えるように。



結婚祝いに作らせていただきました。新郎、新婦ともにご友人、新婦の好きな色がブルーというご注文で、シンデレラのガラスの靴をイメージしてみました。


シンデレラと王子様のように、末永く、お幸せに。




プリザーブドフラワーアレンジメント

靴とビーズの透明感を損なわない青いバラの美しさは、
プリザならではです。

2012年10月6日土曜日

光の破片

プールとかアイスとか、子供の頃大好きだった。

大人になって手にすることができるのはアイスクリームぐらいだ。あの頃と違って100円のアイスなら好きな味を好きなだけ買うことができるけど、他のものは全部失った。

もう長いこと、夏らしい遊びをしていない。
最後に海へ行ったのはいつのことか。

それなのに。私は今でも夏が好きだ。日々の予定しかなくっても、空気が光の粒で溢れていくのを感じると本当にわくわくする。

昔の希望のかけらなのだろうか。浅い浅いプールの底で見たゆらめく光の破片とか、永遠に続きそうな気がした、たった一ヶ月の夏休みとか。そのときに感じた強い光がまぶたの裏にしつこく焼きついて、毎年幻を見せるのだろうか。

歳をとると新しいことが少なくなって、刺激や感動が少なくなって、時間の流れが早く感じるのだと友人が言った。

夏も終わりだな。思っているうちに十月だ。大人になって秋の紅葉も冬の澄んだ空気もちゃんと愛せるようになった。

それでも晴れた暖かい日、まだまだTシャツで過ごせるけれど、光の柔らかさと風に混じった秋の気配を感じると、簡単にさみしい気持ちになる。

2012年10月2日火曜日

愛した分だけ美しく



私たちが生きるこの世界には、美しい花がたくさん咲く。
赤い花も青い花も、良い香りのする花も。
私たちが生きるこの世界には、多分、愛が存在する。
見えないし、触れもしないけどそう信じて、
いつも誰かに伝えたがる。
そんなの無理だって、思うけどそれでも。
あなたはガールフレンドの誕生日に買ったバラの花を、
育てた人の名を知らない。
私は此処に飾ったバラの花を、
作った人の顔を知らない。
だけどきれいに咲いたバラは、誰かが愛して育てた印。
愛という形のないものが、ちゃんとこの世に在る証。
もし愛が目に見えたなら、
誰も花なんて贈らなかったかもしれない。
バラなんて育てなかったかもしれない。
だけど私たちが生きるこの世界では、
愛に形がないこの世界では、バラという美しい花が咲く。
私たちは、愛する誰かにバラを贈る。





伝えたい何かは、愛ではないかもしれない。感謝の気持ちかもしれないし、励ましかもしれない。
季節が移ることへの哀愁かもしれないし、悦びかもしれない。
でも一つ言えることは、少なくとも私は、伝えたい何かが、あるいは誰かがいなければ、花なんて買わない。この世界にたった一人きりならば、かわいい色合わせもきれいな花合わせも、何の意味もないと思う。

花展「Let it Rose―愛した分だけ美しく」は無事終了いたしました。
手伝ってくださった方々、SHIPS京都店の皆様、友人たち、そして見に来てくださった方々、本当にありがとうございました。