2012年10月2日火曜日

愛した分だけ美しく



私たちが生きるこの世界には、美しい花がたくさん咲く。
赤い花も青い花も、良い香りのする花も。
私たちが生きるこの世界には、多分、愛が存在する。
見えないし、触れもしないけどそう信じて、
いつも誰かに伝えたがる。
そんなの無理だって、思うけどそれでも。
あなたはガールフレンドの誕生日に買ったバラの花を、
育てた人の名を知らない。
私は此処に飾ったバラの花を、
作った人の顔を知らない。
だけどきれいに咲いたバラは、誰かが愛して育てた印。
愛という形のないものが、ちゃんとこの世に在る証。
もし愛が目に見えたなら、
誰も花なんて贈らなかったかもしれない。
バラなんて育てなかったかもしれない。
だけど私たちが生きるこの世界では、
愛に形がないこの世界では、バラという美しい花が咲く。
私たちは、愛する誰かにバラを贈る。





伝えたい何かは、愛ではないかもしれない。感謝の気持ちかもしれないし、励ましかもしれない。
季節が移ることへの哀愁かもしれないし、悦びかもしれない。
でも一つ言えることは、少なくとも私は、伝えたい何かが、あるいは誰かがいなければ、花なんて買わない。この世界にたった一人きりならば、かわいい色合わせもきれいな花合わせも、何の意味もないと思う。

花展「Let it Rose―愛した分だけ美しく」は無事終了いたしました。
手伝ってくださった方々、SHIPS京都店の皆様、友人たち、そして見に来てくださった方々、本当にありがとうございました。


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