2013年11月22日金曜日

立冬

――冬の気立ち初めていよいよ冷ゆれば也。
新暦十一月八日頃



 冬が好きだと思えるようになったとき、少しだけ大人になったなと思った。

 ある冬の晩、お酒を飲んで店を出た。外に出た瞬間、耳まで温まった体が一気に冷気に包まれた。冷えた空気が気持ち良かった。吸い込むと、体の中まで洗い流される気がした。何気なく空を見上げると、目が覚めるくらい、たくさんの星が散らばっていた。「空気が澄んでいる」、「空が高い」。単なる言い回しだと思っていた言葉が、寒さと一緒に体にしみた。

 立冬から立春までの日々を、日本語で「冬」といいます。









百合と椿。

百合は初夏のお花ですが、澄んだ空気を表現したかたのと、すっとした立ち姿が「立冬」に似合っている気がして、あえて使ってみました。 




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